2006年11月18日

ドワーフ

SS 神の鍛冶屋  

 ドラゴンの喉元をその剣の一撃は抉っていった。

 今までいかなる戦士の剣を弾いてきたドラゴンの鱗。その鱗を貫き命を奪った剣を見ながらロディ・ファーランドはこの剣を打った老ドワーフイスタエフの事を思い出していた。

 剣を頼みに行ったとき、最初追い出された事。

 誤解を解くことになったキマイラとの戦い。

 一緒に各地を回った剣の材料探し。

 イスタエフは魔王の化身たるドラゴンを倒すことができる『影の剣』を創りだすことができるのが自分のみであり、剣を打てば業病に冒された身体が持つことは無いと知っていながら鍛えたこの剣。

 ドラゴンは倒れ、ロディの身体を血で濡らす。

「イスタエフ」

 これからこの剣は『ドラゴンスレイヤー』の銘を与えられるだろう。だが、誰がその名で呼ぼうとロディはその名でこの剣を呼ぶことは無い。この剣の名はまぎれもなく『イスタエフの剣』なのだから。





〜与えられた姿〜[由来]

 北欧の世界創造をご存知ですか?。省略して話しますと、イミルという巨人がいました。三人の神がイミルを殺し、血から海を、肉から大地を、頭蓋骨から天を造りだしました。その肉である大地から湧き出したうじこそがドヴァルグ(ドワーフ)の始まりなのです。

 彼らは『黒妖精の国』に住み、神も巨人も無く自らの利益で働く、偏狭な一族です。その細工の腕は一流で、オーディーンの持つ槍『グンニグル』や、九夜ごとに同じ大きさの黄金の腕輪を八つ生む『ドラウプニル』や、大きさを自在に変える武神の持ち物であるハンマー『ミヨッルニル』などが彼らの作品です。これは金鉱など地下にある無限(と思われた)の宝がシンボライズされた姿なのでしょう。ともあれこうした器用な要素がドワーフの職人気質な姿に影響しているといえます。

 伝説や神話から外れた彼らは『白雪姫と七人の小人』でも分かるように陽気な存在になっていきます。中世の騎士物語では騎士の従者となって活躍する事も多かったようです

 

〜仲の良し悪し〜 [余談]

  これはファンタジー界の常識と言えることですが、ドワーフはエルフと仲が悪い。それはどうしてかと考えると、ドワーフの持つ斧というアイテムが関係しているようです。斧といえば当然木を切るための道具ですし、エルフが守るべき木(というかエント族)と相性が悪いですから。

 象徴という意味を考えると、ドワーフは男性で、エルフは女性といえます。古くからの伝承を見てみると女性のドワーフや、男性のエルフはほとんどでてきませんから。

 ドワーフの出てくる話というと、『ドラゴンランス戦記』が思い出されます。ドワーフらしいドワーフや、どぶドワーフ等、日本の小説には無いドワーフの姿を見る事ができます。
posted by 九十九屋さんた at 09:44| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 白澤図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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