2005年05月04日

アスモデウス

SS 魔術の師匠

「私が魔術を使えるようになった理由ですか?。あれは15歳の時に好きなオンナノコを尋ねていったときなんですよ。何か雨が降ってきたんです。濡れてしまったからもうそのままでいいと思って歩いていると、雨が止んでいる一角があったんです。そして近づいていくとそこには化け物がいたんですよ。3つ頭、それも雄牛と人間と羊だし、それも口から漏れる火と雨で湯気がもくもくでてるし、身体もよくは見えなかったけど大きかったし。びっくりしたんですけど、その目を見ている先が自分の好きな子の家だったんですよ。だから私はもう怖いのも忘れてその化け物の前に立って彼女を守ろうとしたんです。そしたらその悪魔は聞くんですよ。『あの女が好きか?』って。『そうだ文句あるか』って答えたら悪魔はすごい顔でこっちを見ましたね。もう殺されるかと思ったら、彼女が家から出てきたんですよ。貴族らしいいい男を連れて。悪魔は男に襲い掛かるとたちまちふっとばされてしまったんです。彼女は傷一つついてないです。それを見て私は思いだしたことがあっていったんです。『アスモデウスさまですか?』って。そしたらいろいろな事を教えてくれて魔法の指輪までくれたんです。多分、横恋慕しているところを見られて恥かしかったんじゃないですかね」



〜好色といわれて〜 [由来]

 アスモデウスはイランのシャーナーメに出てくる悪神の手下アエーシャマがなまったものといわれています。その意味は激怒や、情欲という意味です。

 これがキリスト教に吸収されて、こんなエピソードになりました。

 ある街にサラという美しい娘がいました。サラは年頃になり、結婚しましたが、その初夜の晩に新郎は急死してしまいます。そんな事件が二件三件と続き、七件を数える頃にはサラは悪魔つきの女とされていました。街に二人の若者がつきます。トビアとアザリアです。アザリアはトビアにサラを妻として迎えることを提案します。トビアは自分が一人っ子であることをかさにその提案を受けません。アザリアは香炉に魚の内臓をいれたものをいれておけば問題ないといい、トビアはしぶしぶそれに従い、香炉を持ち、サラの部屋で過ごそうとします。香炉の煙が部屋に広がった頃、何か黒い影が部屋から逃げ出します。それがアスモデウスでした。逃げるアスモデウスは追いかけてきた人間に気付きます。それはアザリアでしたが、みている間にその姿は天使ラファエルとなり、アスモデウスは捕まえられてしまうのです。

 でも、それだけの魔力がありながら、彼女に手を触れなかったのは不思議なことですね。

 

〜秘術の伝導者〜 [余談]

 アスモデウスは上記のような振る舞いから好色な存在と思われていますが、側面を見逃してはなりません。

 そうアスモデウスは膨大な智識、多くの秘術を知る存在なのです。もし彼にあって丁寧にお願いしたならば、幾何学や、力学、算術といった学問や、その能力である宝物を探す能力により、失われた知識や、財物を手に入れることができるかもしれません。それを知られているせいか、アスモデウスはソロモン王に囚われた話が伝わっています。

 ソロモン王は宮殿を作るために奇跡の石『ジャミール』を必要としていました。多くの悪魔を捕え尋ねると口々に『アスモデウス様ならご存知です』と答えるのです。そこでソロモン王はアスモデウスの良く使う泉の水を酒に変え、酔いつぶれさせ捕えます。そして『ジャミール』はソロモン王のものになったのです。これには後日談があり、ソロモン王をだまし、魔神を操る魔法の指輪を手にいれ、王を宮殿から追い出したといいます。結局ソロモン王は戻ってくるのですが、だましだまされるその様子はちょっとほほえましいですね。

 ちなみにアスモデウスは完全な悪魔というわけでなく、圧制をした王の娘に取り付き、政策を変えさせた記録も残っています。

 彼はよい堕天使なので、くれぐれも出会ったときは笑顔で対応しましょう。
posted by 九十九屋さんた at 09:57| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 白澤図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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