2005年05月04日

ケルベロス

SS 恋は時に勝利する

「待った?」

「だってまだ5分前だよ、今きたところだよ」

「でも、犬の前で待ち合わせんなんていうからハチ公みたいなのかと思ったら

これ何?。頭三つあるし」

「ケルベロスだよ」

「え。もっとかわいいよ」

「それはまんがの話さ。地獄の番犬ってくらいだからね。これくらいでないと

睨みも効かないんじゃないの」

「そうなのかな」

「そうだよ」

「あ、でも待ち合わせに使うにはいいかも。駅に近いのに誰もいないもんね。

それでこれからどうするの?。今日は木曜だから二人で行くと映画割引だよ」

「その前に大切な話があるんだ」

「ここで?」

「いや、この前だから言いたいことがあるんだ」

「?」

「俺とつきあってくれ」

「・・・・・」

「やっぱりダメか」

「・・・違うOKだけど」

「やった!」

「どうしてこの像の前なの」

「この三つの頭は過去、現在、未来なんだ。だから昔から好きで、今も惚れて

て、これからも愛してるって事を言いたかったんだ」



〜頭は何個?〜[由来]

 ケルベロスに関しては尻尾は蛇と言うのは結構同じですが、頭の数には色々と説があって、3から50、無数とあります。ポピュラーなのは3と50でしょうか。3の方は過去と現在と未来を示し、そのケルベロスに勝ったヘラクレスの英雄的行為は時間に勝ち伝え続けられるという概念だといいます。50の方はケルベロスの死者を追うという猟犬の性格と、アルテミス女神の50匹の猟犬が結びついたものと言われます。無数は顎から無数の毒蛇の頭が生えていたという伝承を取った場合で犬の頭だけではありません。ちなみに伝承では尻尾も蛇なんですよね。

 様様な宗教で地獄には番犬がおり、北欧の神話にはガルムが、インドの神話の中でもヤマ(閻魔大王ですね)がたくさんの犬を飼っていたという記述が見えます。また、ギリシアでは暦に書かれた女神の象徴であったともいいます。





〜最後の偉業〜[余談]

 ケルベロスもまた勇者と関わりを持っています。その勇者とは神代に名高い英雄ヘラクレスです。

ヘラクレスは十二の難業を為しております。これは進んで行ったわけではなく、罪を償うためのものです。女神ヘラによりもたらされた狂気の為、家族を皆殺しにしたヘラクレスが、購いのための神託を授かります。そこでもたらされた神託は『故郷の地アルゴリスで国王にエウリュステウスに仕え、十の難業を成し遂げよ。』というものでした。これは危険なものでした。エウリュステウスは本来ヘラクレスのものであった王位を奪った男です。その下で働くのは危険な事に加え、難業もまた危険なものでした。

 結局、ヘラクレスは十どころではなく、さらに二つ加え、十二の難業をすることになるのです。そこで退治されるのは、不死のライオンや、ヒュドラといった怪物。また、ミノタウロスの親であった神によりもたらされた牛の退治など、普通の人間なら一つしただけで英雄になれるものでした。その最後を飾るのがケルベロスなのです。

 ケルベロスを地上に連れ帰る為にヘラクレスは生きながら冥界に赴きます。そこで冥王ハデスに素手でケルベロスを捕らえることができたら地上に連れて行ってもいいという条件を出されます。ヘラクレスはケルベロスを捕らえ、地上にと連れ帰ります。

 ヘラクレスの最後の難業が冥界に赴いたのは、彼が死を乗り越え、神となる資格をもった証ではないでしょうか。



 
posted by 九十九屋さんた at 08:32| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 白澤図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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