2005年05月04日

キマイラ

SS 観光地

 もしリュキアのパセリスに行くことがあるならば都市と同名のバセリス火山に行くのがお勧めである。

 この火山の麓には大蛇が大量に生息し、山腹を登っていったところには草原があって山羊がおり、山上には獅子が群れなして住んでいる。 

 この3つを聞いて思い浮かべるものは無いだろうか?。そうこの山はあの伝説に名高いキマイラの故郷なのだ。

 山に観光に行って危険はないかと思うかもしれないが、心配することは無い。キマイラはかの英雄べレロポンに退治されて久しいからだ。

               

アテナの学者バトバミスの手記より抜粋

付記:この書を記したバトパミスはバセリス山で死亡した。原因は定かではないが、蛇は毒蛇であるし、獅子は言うまでもない。山羊もテリトリーに入ったものを襲うから、キマイラがいなくとも無事にすまなくて当然である。





〜様々な混合〜[由来]

 キマイラの姿は様々ですが、三つの首が並列になっているもの。そして、蛇がドラゴンになっているもの。ライオンの頭と前足、雌山羊の胴体と後ろ足、尾は蛇で胴体の中央から雌山羊の頭を飛び出している。そして口からは火を吐いたといいます。随分奇怪な姿ですね。

 そんなキマイラの正体に関してはいくつかの説が伝わっています。SSのようにある場所を象徴したシンボルであった説。獅子、山羊、蛇を飾ったキマイラという海賊がいたと言う話も伝わっていますが実際は違うようです。

 なぜならヒッタイト文明の遺跡からキマイラの像が見つかっています。キマイラは神話の中では神であるテュポーンとエキドナの子供とされ、神の血をひくものとされました。このようにただの怪物のように思われる事となったのはアカイアの宗教改革によるものです。これを機にギリシア神話が広がり、キマイラはただのモンスターになってしまいました。

 英和辞典でキマイラをひきますと下記のような事が記されています。非現実[想像上]の;〈計画・考えなどが〉奇想天外[荒唐無稽(むけい)]なそう考えると英語でキマイラは日本の鬼のようにポピュラーなのかもしれません。





〜暦の形〜[余談]

 キマイラの像は一年を示すといわれています。ギリシアは日本と違って四季がないので微妙に違ってきますが、神々はその季節にあった動物で、人間の前に姿を現すといいます。その中でもディオニオス神は冬に蛇として現われ、春にライオンに変わり、真夏に山羊となって食べられるといいます。冬の蛇は地中にあり実りを内包するものの姿を見せないのを象徴します。ライオンは春であり、始まりを示します。

山羊は実りを象徴します。それは農耕を中心にすえていた時代からすらばすっきりと一年を象徴しています。

 最後にキマイラはペガサスに跨ったペレロポーンにより殺されます。口に鉛の槍を投げ込まれ、吐いた火でどろどろになった鉛で内側からやきつくされたといいます。これはある勇者に象徴される支配権の移行があったのかもしれません。
posted by 九十九屋さんた at 08:30| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 白澤図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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