2006年10月09日

三枚のおふだ

 みなさんはお守りをお持ちですか?
 自分も大神宮のものを持っていますが、近所の神社や、観光にいった先の神社仏閣でお守りを手に入れるのは珍しい事ではないと思います。
 お守りの本体は中に入っているお札で、袋の部分はお守りを保護する為にあるものです。

 お札が命を救ってくれたという話は大きく分けて2つのパターンがあります。1つは自分から用いるものです。投げつけるなど道具のように使うパターンで、有名なのは『三枚のお札』ですね。

 小僧さんは栗をとりに行きたくてしょうがありません。和尚さんに無理をいって山に行く事を許してもらいます。心配した和尚さんは三枚の札を小僧さん持たせます。
山に入った小僧さんは山姥に捕まってしまいますが、厠(トイレ)にいきたいといって逃げ出します。ところが山姥は追ってきます。追いつかれそうになる度に、お札を投げつけます。それは火となり、山となり、川となり、山姥を防ぎます。
 どうにか小僧さんはお寺に逃げ込みます。でも山姥は寺に入ってきます。和尚さんは釣鐘の中に小僧さんを隠して、山姥と向かい合います。和尚さんは小僧を出せという山姥をおだてて、小さくなる力を見せるようにいいます。そして小さくなった山姥をモチにくるみ食べてしまいました。
 こうしたのがあらすじですが、主人公は娘さんになったり、山に行く理由も追い出されたり、花を摘みにいく事もあります。

自分の好きのなのはこの話です。(子供の自分に聞いているので原型と違っている可能性があります)

 その山寺は美しい桜の大木があり、春になるとたずねてくる人がおりました。
 山寺ではそんな人に白湯を振るまいました。小僧さんはいつものお勤め以外にそんな仕事が増えますからあまりこの季節は好きではありませんでした。
 でも、或る日の事、小僧さんの気持ちは一変しました。
 立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花ともうしますが、山寺の桜の下に立つその方は桜に負けぬほど美しかったのです。
 菩薩だと小僧さんは思いました。
 思慕が表に出たのか、その方は親しく小僧さんに話しかけてくれます。近くの山の長者さまのこいさんで、桜が好きで近くの村に春だけ逗留している事。その山は大層栗が多くできること
 桜の時期が終り、こいさんは家に戻ることになりました。こいさんは小僧さんにいいます。
「栗の時期になったら遊びにきなさいな」
 一日が一年に及ぶような日々が続き夏が過ぎ、やがて秋になりました。小僧さんが和尚様に言いますとこいさんとの約束を告げますと、お勤めを申し付けたり、写経をさせたりと、なかなか出してはくれません。
 しかし、木々が色づきますともう耐え切れずにこっそりと抜け出します。朝早くおきて外にいきますと、和尚様が立っております。
「そこまでいうのならば仕方ない。ただこれをもっていくがよい」
 小僧さんはこいさんの呼んでいた山へと向かいます。
 山の中とは思えないような大きな屋敷に迎え入れられ、昼はこいさんと栗とりにがんばります。
 山の中の屋敷にいるのはこいさんだけでした。
 昼間動きすぎて疲れすぎているのと、たのしくて胸がいっぱいでなかなか眠れません。
 その耳に夜中だというのに何か音がしてきます。
 こいさんに何があったのかと、足音を忍ばして、小僧さんは起き上がりました。
 音は厨から聞こえてきます。
 そっと中を覗きこむと、こいさんが大きな鉈ほどもある包丁をといでいました。
 その時、床がみしりと軋みました。
 振り返ったこいさんは美しい女性ではなく、修羅の如き、山姥の姿でした。

 と、あとは皆さんが知っているのと変わらないのです。
 結局襲われてしまいます。しかしながら、なんというか、恋心を微妙に利用されている辺りがなかなか好みなのですよ。


 さて、お守りの効能ですが、もう1つは気付いたらお守りが守ってくれていたというパターンです。こちらはまた次回に。
posted by 九十九屋さんた at 08:38| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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