2018年04月25日

壊河金目・・・無支祁女房


壊河金目・・無支祁女房 『白澤図』より










壊河金目・・無支祁女房 『白澤図』より









 暁祥真は昴の生れであって、幼い時に両親に死別(わか)れたが、父の友人である風鄭和に引き取られ、その縁で役人となっていた。暁は生れつき静かな生活を喜ぶ男で、役人として働く以外は、官舎でぼうっとしているのが常の事だった。
 ある年の事、旱の為に巡視に出る事となった。馬に関しては得意であったので、郊外を走るのは楽しく、気付けば部下を残し単騎(ひとり)であった。
 止まれば旱続きの酷い暑さが襲ってくる。木陰でも探そうと思うと、一つの岩が見えた。岩にいくと、独りの襤褸をまとった男が座ってくる。
 男は喉が渇いてる様子なので、暁は馬から降りて水筒を差しだした。
「いやあ、ありがたい。ここ千里は旱で水は値千金だ」
「それはよかった」
「君は独りいるが、鬼神や狐はこわくないのかい」
 男は言った。
「男子が鬼や狐をこわがってどうする、もしくれば僕には剣がある。それも行く場所がないのなら門を開けて納れてやるさ」
「酷吏は天災に勝るというが、君のようなものもいるのだね。その礼に一つ言っておくよ。亀山で鈴があったら音が聞こえなくなるまで続けろ」
 暁はうなずいた。
 砂煙をたてて近づいてくる部下たちが見えた。
「もしよければ馬に乗らないか」
 そう声をかえると男の姿はなく、ただ地の果てまで右足だけの足跡が続いていた。

 旱は思った以上に広く、見分するのが精々で、できることは少なかった。
 水が枯れていない川もあるということから向かった先でもずいぶん流れる水の量が減っていた。
 その一つである淮水で騒ぎになっており、暁は立ち寄る事になった。淮水は壊河とも呼ばれ、川の流れが変わりやすかった。この旱の時ならば自らに利するために流れを変えようというものがいるとの事だった。
 誰かそのような企てをしたのか川の一角に太い縄が泳いでいた。縄に鈴がついているのに暁は気付いた。
「あれをひこう」
 縄を引き出した。最初は数人がかかりだったが、なかなか終わらずついには百人あまりがひき、馬や牛も使われ、最後は暁自らひき始めた。鈴の音が響き始めると小雨が降り始めた。
 縄がこれ以上ひけなくなった。音も聞こえなくなり、水中に鈴が二つ。いや、金目が二つ光っていた。   人々が雨に喜ぶ中で、暁は男の言葉を思い出していた。引き続けると音は小さくなっていった。縄は切れ、何かが水中から跳ね上がり、大雨にと変わった。

 暁は家に帰った。
 巡視から戻ってから朝になると新鮮な魚が置かれているようになった。付け届けのくるような役でもないので、気にせずに厨房に渡し料理してもらった。美味だった。
 魚は毎日届けれられた。
 暁は意を決して、魚を届ける相手と会う事にした。
 夜中に誰かが家の前を立っている。とびかかると簡単に投げ飛ばされる。それは強く暫く暁は立てなかった。転がっていると金色の目が覗き込んでいる。
「いつも魚をありがとう」
 月明かりに慣れてくると金色の目を持つ娘が立っていた。
「行く場所がないのならうちにこないか」
 立ち上がると娘の手を取って官舎に招き入れた。
 娘は古風な話し方をし、今の世にも疎いようだが、天性の美しさがあった。
 半年あまりして平穏な日々が続いた。
 暁は難儀をしていた。家の近くで塩を積んだ車が荷崩れを起こり、出仕の間に合いそうにない。すると娘が官舎から出てくると、やすやすと荷を元に戻していた。その剛力は噂になっていた。
 娘の変わった風体や、行いから、あれは亀山にいた無支祁などと噂するものがあった。
 暁は噂が広がると、官を辞し、娘と姿を消してしまった。

 予(作者)は南に遊んで昴州に往き、雨にへだてられて旅舎に休んでいたが、そこに風鄭功という者が大叔父から聞いた話だと語ったものである。
 予が考えるに無支祁とは巫支祁ともいう。字を考えれば神を祀り神に仕える女となるから、そのようなものだったかもしれない。
posted by 九十九屋さんた at 23:08| 千葉 ☁| Comment(0) | 物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月21日

妖怪IME更新


一日一妖 コーナーから追加

宇治の宝蔵 続古事談
 中世日本の御伽草子などの説話に記される経蔵。  代々、藤原長者が鍵を預かり、一切経会の日に開扉される。その中に納められたものは、酒呑童子、玉藻前、大嶽丸の首や遺骸などであり、武力・知力・神仏の加護がこれらを維持するとされた。
 他には仏舎利、玄奘三蔵、戒日王、婆羅門僧正、行基菩薩の袈裟、山上憶良が編纂したとされる幻の歌集『類聚歌林』、『源氏物語』「幻」と「匂宮」の間にあるとされる「雲隠」の巻、伝説の楽器、高僧が散華した時に落ちた蓮華、鉢かづきの鉢などがあったという。
 宇治の宝蔵には他にも日本全国から様々な宝物を集められたとするが、散逸する事は無かった。その理由は宇治殿として知られる藤原頼通が龍神になって、宇治川に住み、毎晩丑の刻に見回ったからといわれる。


三鬼神 芸備の伝説
三鬼大権現ともいい、厳島の弥山に祀られているという神。中央を追帳鬼神、左を摩羅鬼神、右を時眉鬼神といい、ご神体は神楽の面に似た赤いもので猿田彦を思わせる。この三鬼神の話が、弥山の天狗の原形と思われる。
 追帳鬼神(ついちょうきしん):「福徳」の徳を司る鬼神で、大日如来を本地仏とする。
 時眉鬼神(じびきしん):「知恵」の徳を司る鬼神で、虚空蔵菩薩を本地仏とする。
 魔羅鬼神(まらきしん):「降伏」の徳を司る鬼神で、不動明王を本地仏とする。
 これら三鬼神は空海が弥山を開いた際に勧請したという。

密僧坊 泰荘むかしばなし
 好物の味噌を食べると強力になったが、おごって暴れるようになったので、味噌を隠すようになった。腹を立てた密坊僧がある家で孫にあげる餅をついていた。それを奪って食べると喉が渇き、水を求めて滝つぼに嵌り死んでしまった後、蛇となり人を食うようになった。

隅のば様 童子百物かたり
夜中、静かな寺で四人で行う。座敷の四隅にかがんで、明りを消す。全員で座敷の真ん中により、うちの一人が全員の頭を撫でながら「一卜隅のば様、二すまのば様」と続けていく。すると四つあり、自分の分を含めて五つになっているという。

怪徹 御伽厚化粧
 播州の庄兵衛の元に、穴山怪徹という老人が竹藪を隠居所として貸してほしいときた。承諾すると老人は妻子を連れてきたがその後姿を見なかったが庄兵衛の妻が病になると老人が治療してくれた。その後、竹藪の隠居所に招かれた。美しい屋敷であったが出ると消えてしまった。

竹之山 薩藩神変奇録
 薩摩国山川郷の山。天狗が住むとされ、竹之山神祠がある。近くの海には船が繋ぐのを忌む。文化八年官船明神丸が錨をおろすと山から怪火が現れ、帆柱に提灯の火が灯った。山伏の様な男が現れ、帆柱を折っていった。男を止めようとしたものはことごとく返り討ちにあった。

三穂太郎 奈義町の伝説
 菅原道真の子孫真兼が、菩提寺に参詣し美しい娘に出会い、子をなした。ある時娘は姿を消した。子と娘を探す事になった。那岐山の蛇淵で娘は大蛇となり、五色の玉を残し消えた。子は玉をなめ成長し、巨人となり、那岐山と都を三歩で往来し、三穂太郎と呼ばれた。

心魔 三州奇談
 元禄年間加賀の兵法家関善右衛門が帰宅すると屋敷中光明に輝き、七宝を散りばめたようであった。関が印を結び、九字を切り、神仏の法を行うと消えたという。関はこれを心魔、心の動きによるものと解釈したが真相は。

赤菜の婆さん 栃木県芳賀郡のお話
 ものを赤くする魔法がつかえたので、野菜などを赤くし、困らせては米やみそなどの食べ物を巻き上げた。やがて、誰も相手をしなくなり、血を吐いて死んだ。亡くなる前にすべての作物を赤くする呪いをかけており、解呪することはできなかった。

呑舟狸 松永北溟略伝
 小籔の根本寺の呑舟和尚が寝ていると、呼ぶものがあるが、姿が見えない。ある夜、厠にいくと、井戸端で狸が尻尾を打ちつけて引いていた。それがドンシュウと聞こえる。和尚は狸を屋敷に引き入れ、狸囃子を叩かせ酒を飲んだ。その様はどちらが狸かわからなかったという。

覆舟鬼 春波楼筆記
 溺死した人の霊のこと



妖怪IME登録何その話という方は
妖怪用のIMEを作ってみました 
http://youkai.seesaa.net/article/2086247.html を見ていただければと

もうしっている方はこちらに
http://youkai.up.seesaa.net/image/tango.zip
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2018年04月20日のつぶやき


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2018年04月20日

2018年04月19日のつぶやき


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2018年04月18日のつぶやき


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2018年04月17日のつぶやき
































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2018年04月16日のつぶやき


















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2018年04月04日

2018年04月03日のつぶやき




































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